Photo by (c)Tomoyuki.U( http://www.yun.co.jp/~tomo/photo.html )
Linux では、用紙に余白を入れないフチ無し全面印刷(以下、完全フチ無し印刷)を実現するためには、専用のアプリケーションが現状存在しないため、アプリケーションからの印刷では、注意が必要です。
したがって、完全フチ無し印刷をする場合には、コマンドラインのオプションのみで実現可能なターミナルからのコマンドラインモードでの印刷を推奨します。
ターミナルからの印刷には、UI で設定を行うGUI モードと、コマンドラインで設定を行うコマンドラインモードの二つがあり、完全フチ無し印刷の実現方法が異なります。
コマンドラインモードでは、bjfilter の起動オプションで、「--borderless 」、「--full 」、「--location center」を指定するだけで、容易に完全フチ無し印刷を実現することができます。
(原画像の中央部分が完全フチ無し印刷で出力されます。)
実行例:bjfilterbjs500 --borderless --location center --full image.bmp >/dev/lp0
GUI モードでは --full オプションにあたる印刷設定がありません。
そこで、以下の2 通りで、完全フチ無し印刷を実現する方法について説明します。
アプリケーションから出力される画像は、指定されたサイズ(A4 など)のps ファイルとして出力されます。
そのため、アプリケーション上で用紙いっぱいに画像を配置していない場合は、bjfilter の「フィットページ印刷」オプションを指定しても、完全フチ無し印刷は実現できません。
また、多くのアプリケーションが、アプリケーション上で表示される画像にマージン(白枠)をつけたpsデータを出力しているため、bjfilter が受け取るデータにもマージンが付加されています。
その結果、アプリケーション上でページいっぱいに配置した画像を「フチ無し全面印刷」オプションを使用して印刷しても、用紙からのはみ出し量よりもアプリケーションが付加するマージン量のほうが大きいことがほとんどであるため、余白なしの完全フチ無し印刷をすることができません。
マージン(白枠)をつけたps データを出力するアプリケーションの場合、「フチ無し全面印刷」オプションだけでは、余白なしの完全フチ無し印刷をすることができません。
そこで、画像範囲を示すBoundingBox コメントに基づき、ps データから画像データ部分のみを抽出して処理すると、アプリケーションの付加するマージンを排除することができます。
上記の画像領域抽出を行うには、アプリケーションの印刷設定画面で、印刷コマンドを指定する際に、lpr に<-J ”--bboxon ”>というオプションを指定します。
例:lpr -J”--bboxon” -Pbjs500usbps
アプリケーションによって、BoundingBox が信用できない場合や、印刷コマンドを指定できない場合があります。
そのため、BoundingBox を利用して完全フチ無し印刷を行うためには、以下の二つの条件を満たすアプリケーションを使用する必要があります。
上記の条件を満たすアプリケーションは限られているため、ここでは、完全フチ無し印刷を実現する方法について説明します。
BoundingBox の値を使用できる場合は、以下の2 通りで、完全フチ無し印刷を実現します。
BoundingBox の値を使用できない場合は、bjfilter の「拡大/縮小印刷」を利用して、出力サイズを調節する方法で完全フチ無し印刷を実現します。
処理はBoundingBox を使用する場合の画像を加工しない方法(3-1-1-1)と同様だが、アプリケーションの付加する余白を考慮して画像を拡大/縮小する必要があります。
マージンをつけないアプリケーションの場合は、BoundingBox を使用しないでも完全フチ無し印刷を実現することができます。
ただし、「3 アプリケーションからの印刷」の冒頭で述べたように、アプリケーションの出力は、指定されたサイズ(A4 など)のps ファイルにされるため、アプリケーション上で用紙いっぱいに画像を配置していない場合は、ページフィットをしても余白なしの印刷結果は得られません。
そのため、アプリケーション上の領域いっぱいに画像を配置してから印刷する必要があります。この場合、ターミナルからの印刷の、「2-2-2 画像を加工する方法」と同様の方法で完全フチ無し印刷を実現することができます。
アプリケーション上の印刷領域いっぱいに画像を配置できない場合は、マージンをつけるアプリケーションの「3-1-2
BoundingBox を使用しない場合」の手順2.以降で、完全フチ無し印刷を実現します。
また、BoundingBox を使用して、マージンをつけるアプリケーションの「3-1-1 BoundingBox を使用する場合」と同様の操作でも、完全フチ無し印刷をすることができます。
各種アプリケーションの動作は以下の2つに分けられます。
画像を加工して用紙のアスペクト比に合わせる方法の例を示します。
《GIMP を使用する場合》